合気道の持つ力

今年の武道教室も残すところ3回となりました。この時期は毎年多くの方が合気道を体験致します。今年は募集定員以上の方々をお迎えして開催できましたこと、大変うれしく思っております。

私もこの武道教室で教えること、早いもので10年以上になります。10回の短い体験稽古会ですが、怪我しないように注意して、筋道を立てたわかり易い説明を心がけ、「続けてみようかなぁ」と皆様に思って頂けるように頑張って参りましたが、私自身も非常にいい勉強をさせて頂いてます。子供を育てながら親になっていくのと同じように、教えることは学ぶことだと思えるようになりました。

合気道は他の武道種目と違い、実に多世代の方々に参加頂いています。ですから、色々な方がいらっしゃるので、指導するのはとてもむずかしいんです。単純に画一的に教えるということだけでは、皆さんに納得して取り組んでもらうことができません。
年齢層が上になればなるほど、頭で理解してからでないと動けない傾向があるため、それを妨げない程度に理を教えます。若者には、説明するよりやって見せてから補足するように行ったり、考えさせるように仕向けます。子供に対しては、合気道の持つ雰囲気を大切にしながら、一線を越えないように楽しく厳しく教える、と言った相手を見ながら、指導方法も変化させることが大切なことだと思っています。

計10回の体験教室ですから、大したことができるようになるわけではないと、習われている方々もすぐわかることです。ですので、何かができるようになることに注力することよりも、今後続けたら、自分はどうなれるんだろうという合気道のイメージを持って頂くことのほうを大切にして取り組みたいと思っております。その中に合気道の持っている色々なをすばらしい点を伝えることができれば、武道教室の目標は、ほぼ達成したと言えるでしょう。続ける気持ちになって頂けたら言うことはありません。

10年前と今を比較しますと、シニアの方もかなり増えましたし、小学生も大勢が合気道に触れ合うようになっています。団塊の世代の諸先輩方の今後の生き方論や少子化、教育基本法の見直しなどについても話題の渦中にあります。
このような社会の変化に私の学んできた合気道が役立てるのであれば、企業人として社会的な活動をするだけでなく、地域社会の一員として、合気道を通して働きかけて行きたいと思っています。

シニアの世代、働き盛りの世代、若者の世代、子供の世代と、その世代によっても個人によっても、合気道に期待するものは違います。これに応えて余りあるものが合気道ですので、多くの方々と話をし、これからの方向性を考えて行きたいと思っています。
しかし、であるからこそ、これと合わせて、合気道としての世代を越えても中心として据えなければならないことをしっかりと考える必要があることを同時に意識せざるを得ません。それがなければ単にバラバラになってしまいます。基本に戻って、合気道というのは何なのかというその根本を問い直す必要があります。

幸徳会は現状を良しとぜず、これからどうすればいいのかということを常に皆さんと考えて進んで行きたいと思っています。
皆さんの意見にも色々と耳を傾けて行きたいと思いますので、今後も前進できるように稽古を大切に頑張って行きましょう。


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