2005年 新年に向けて

新年明けましておめでとうございます。皆様にとって飛躍の年となることを願っております。
昨年1年間、ともに稽古いただきありがとうございました。大きな怪我もなく、海外の方を含め多くの仲間が増えて、幸徳会にとりましても武道館にとりましても、活気に満ちた稽古ができた良い年であったように思います。
ともに長く稽古した仲間が、転勤のために幸徳会を去らざるを得ないという残念なこともあれば、逆に新たな仲間も迎え入れました。転勤された方々もそれぞれの地で合気道に係わりを持たれているようですので、どこかでつながっていると思うとその残念さも心にしまい込むことができました。それぞれの地で健康で仕事とともにいつまでも合気道にひたしむことができますことを願っております。
昨年の忘年会は、これまでにない大人数で、それぞれの国の言葉で会話しながら、意味が通じているというのが不思議で楽しかったですね。皆さんの合気道について熱く語られる姿に、何かしら気持ちが通い合い、楽しく過ごせたと思うのは、きっと私だけではなかったでしょう。
昨年後半より稽古生もいっそう増えて、私が知っている限りでは、石川記念武道館始まって以来の大世帯となり、全員が一斉に稽古できないような状況になるという初めての経験もありました。今年は、幸徳会創立10周年目となる記念の年でもあります。この状況が一時的な人気に終わることなく、増々発展し、土台のしっかりとした層の厚い会となるために今年も皆さんと稽古を中心にしっかりと地に着いた活動をして行きたいと思います。
幸いなことに、われわれの稽古する環境は、年2回の武道館が主催する初心者武道教室があり、合わせて通常の週2回の武道館が主催する稽古時間に初心者でも参加、受入れる制度ができておりますので、武道館側の協力を得ながら、広報などを通じて初めての方でも安心して参加することができる環境が用意されております。
あとはこの合気道に対する興味を持続させて、その魅力に触れてこれを継続していこうと感じて頂くことが大切です。そのためには、これを導いていく方々のそれぞれの力量と根気が非常に大切だと思います。
先輩が後輩を導き、後輩が先輩を手本にして学ぶという当たり前の構造を作っていくしかありません。それぞれの力量の方がバランスよく存在し、あまり目線の違わない方が少し力量の下の方を導くということが正しいあり方なのでしょう。幸徳会もこの構造が数年前から少しずつ出来上がってきており、これが稽古生を受入れている理由ではないでしょうか。やはりバランスが大切で、皆さんの力が必要なのです。
合気道はともに相手をする仲間がいなければ稽古になりません。目標となるところも様々です。この相手の気持ちをくみ取ってお互いが稽古に励むことが大切です。押し付けるやり方ではなく、気付かせる稽古をめざしたいと思っています。
合気道の何に魅力を感じるのかということについては、その懐の深さがあるがゆえに一概に決めつけることはできませんが、やはり基本は稽古にあり、合気道が持つ心、技というものを伝えてゆくことができるかどうかということを中心に据えるべきです。このためには、私を含めて皆さんが一層稽古に励み、1つ1つを深く追求して行くこと、広い視野を持ち、さまざまな方の合気道を自分の目で見て自分の行っている合気道というものが、常に正しくあるのかということを疑いながらたずねていくことが必要であると思います。
初心者の方は、どう考えればよいのかという素地がありませんから、まずは形を覚えるというところから入っていくしかありません。今日行ったことが次にはできなくなっていたからといって落ち込むことはありません。頭でではなく、体で自然に反応できるようになるまで反復練習をするしかないのです。
これも1つ1つを確実に覚えて行くこうと考えず、いろいろな動きを並行して学び、動きの基本を反復練習しているうちに体が動けるようになるまでに練習する必要があります。頭で覚えきれるほど、合気道は簡単なものではありません。これができてから、その意味に触れていく稽古がはじまります。まずは形を覚えることが重要です。今年も怪我に注意して、お互いに健康で楽しく合気道に励めるように頑張りましょう。


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