新年の抱負

新年明けましておめでとうございます。
昨年は悲しい出来事が重なりました。皆さんもご存知の深田さんの悲報であり、個人的には有川師範の悲報であります。世の中が混沌とし、組織が人間を圧迫するような時代に私や皆さんの心のよりどころでもある合気道の世界でこのような悲しい出来事が起きてしまうことは辛いことでありました。
今年は昨年の悲しみも乗り越えて、故人の遺志に報いるためにも心を合わせて皆さんと稽古していきたいと思います。
合気道について皆さんも色々な心持ちで取り組まれていることと思います。私もうまくは表現できませんが、ただ自分の素直な気持ちを表現できるすばらしい武道であると思っています。
上がって下がるシンプルな手の一振りに自分の気持ちを込めて行きたいと思うのです。何か意味があるからやっているのではなく、そこに自分なりの意味を付けていきたい、自分にとって意味のあるものにして行きたいと思うのです。
今年は技の形だけではなく、技の心を見つめる稽古もしていきたいと思っています。
合気道はそれを行う方の気持ちが表に出てしまいます。実に正直です。
合気道もそもそも武術なんだから、人を殺すための技術から始まったものだろうと思ってしまえば、そういう考えが表に出てしまいますし、相手に勝ちたいと自分で勝敗の基準を決めて取り組めば、そういったものになっていってしまいます。
武術というものは戦いの手段であると同時に、生命を見つめる手段として発達してきたもの、人間として誰もが背負っている生への不安、死への恐怖という一番素朴で根源的な課題を抱えて、それを見つめながらその脇で発達してきたものと見るならば、その意味合いは少し変わってくるのではないでしょうか。宗教的な世界感ももとは同じ課題から発達してきたものと捉えるならば、合気道を「動く禅」と表現されるのも理解できないことではありません。
私達は合気道が武道である以上、武術性を追求するという立場を忘れてはいけないのですが、技術の世界だけでなく、心の持ち方も合わせて追求していく必要があると思うのです。
自分の中心をしっかりと見つめる稽古を今年も皆さんと一緒にやっていきたいと思っています。


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