新年明けましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。新年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
昨年はデフレによる経済不振、政治不信、リストラ、倒産など相次ぎ、世の中の‘不信’に心の晴れぬ１年でした。また、仕事をお持ちの方は、効率化、スキルアップ、品質向上、新人事評価制度など職場環境が変化し、非常の苦労されたのではないでしょうか。そんな中で職場の雰囲気も増々変わり、戸惑いの中で駆け抜けた１年であったと推察致します。
果たして、こんなペースがいつまで続くのか、給与・賃金はこの先どうなって行くのか、等々不安も多いことと思います。仕事をする方、これを支えられる方、それを見て育つ子供達まで、今までには無かったストレスと向き合いながら生きなければならなくなりました。そしてまたそんな影響も反映してか‘安らぎ’が求められるようになりました。
より良い物を作る為に頑張る、より強い（目に見える）相手を目標にして頑張る、といった目標への道筋がはっきりしているものを相手にする世界から、道筋が見えないものと向き合って頑張ることを余儀なくされる世界に変わりつつあるのではないでしょうか。
中心がなければ円は描くことはできません。人の世も中心がしっかりしてはじめて和が生まれます。中心とは信念から生ずるものであり、信念とは何かと向き合う心があってはじめて生まれてくるものです。
不信感や戸惑いが付きまとう世の中にあって、我々はこのすばらしい合気道と向き合い、心身を練磨し、自分の中心をしっかりと作って行こうではありませんか。
合気道には試合はありません。人としての優劣を単純なルールで縛ることはしません。本来人としての優劣の基準は個人のそれぞれの中にあるものです。合気道はそれぞれの目的に応じて行われればいいものです。しかし、武道である以上はそこに厳しさがなければならず、本人の前進に役立つものでなければなりません。合気道を通じて柔らかく相対して中心を練る稽古を今年も続け、お互いを磨き、皆さんの心に‘信念’という灯を燈す稽古にして参りたい。そしてまた仕事を忘れ、稽古の合間にはお互いに歓談し‘安らぎ’の持てる場所でありたいと思っています。本年もどうぞ宜しくお願い致します。